成果が出るリッチメニューの作り方|設計の基本と改善のコツ
結論から言うと、成果が出るリッチメニューは「載せたいもの」ではなく「押してほしい行動」から設計します。 トーク画面の下部に常時表示されるリッチメニューは、友だちが最も目にする一等地です。ここを情報の羅列で埋めるか、次の一手へ導く導線にするかで、予約や問い合わせの数は大きく変わります。本記事では、リッチメニュー設計の基本と、改善の進め方を整理します。
そして本記事の核心として、LIFEが実運用で行き着いた方針——メニューは縦に短い3分割でシンプルに保ち、作り込みの労力は「タップしたときに返すメッセージ」に振り向ける——もあわせてお伝えします。
この記事は、元LINE株式会社でLINE公式アカウント活用支援に携わり、現在もLINE×AIプロダクトを自社開発・運営するLIFE合同会社代表・小川靖人の知見をもとに執筆しています。
リッチメニューは「一等地」である
リッチメニューは、トーク画面を開くたびに表示されるメニュー領域です。友だちが何度も目にする場所であり、ここに置いたものがそのアカウントで「できること」の第一印象になります。
だからこそ、なんとなくボタンを並べるのはもったいない使い方です。「最終的に何をしてほしいのか(予約・購入・問い合わせ・来店)」を起点に、そこへ最短で導く設計が求められます。リッチメニューの位置づけがあいまいな方は、先に/news/line-official-account-basicsで基本機能を押さえると、設計の意図がつかみやすくなります。
まず決める:このメニューのゴールは何か
設計の最初の一歩は、デザインではなくゴールの言語化です。
- このアカウントで一番してほしい行動は何か(例:来店予約)
- 二番目、三番目に促したい行動は何か
- 友だちが「困ったとき」に押す逃げ道はどこか(問い合わせ)
ゴールが定まると、載せるべきボタンと、載せなくてよいボタンが自然に見えてきます。逆にゴールが決まらないままだと、「全部入り」の使いにくいメニューになりがちです。
設計の基本ルール
成果につながるリッチメニューには、いくつか共通する原則があります。
- ボタンは絞る — 多くて6分割、迷わせたくないなら3〜4分割。選択肢が多いほどタップ率は下がります
- 最重要の行動を目立たせる — 予約や購入など主目的のボタンを大きく・上段に置く
- ラベルは行動が伝わる言葉に — 「メニュー」より「予約する」「在庫を見る」のように動詞で示す
- 指でタップしやすい大きさ — 小さすぎる領域や詰め込みは誤タップを招く
- アイコン+短い文字 — 視覚で一瞬で意味が伝わるようにする
「きれいなデザイン」より「迷わず押せる」が優先です。装飾は目的の補助であって、目的そのものではありません。
よくある失敗パターン
現場でよく見かける、もったいないリッチメニューの例です。
- 欲張りすぎ — 6つ全部に別々の機能を詰め込み、結局どれも押されない
- ラベルが抽象的 — 「サービス」「情報」など、押した先が想像できない
- 更新されない — キャンペーンが終わってもボタンが残り、リンク切れや矛盾が起きる
- 配信導線と噛み合わない — 配信で煽った行動の入口がメニューに無い
特に最後の「配信との噛み合わせ」は見落とされがちです。セグメント配信やステップ配信で促した行動の受け皿として、リッチメニューが機能している必要があります。配信側の設計は/news/line-step-vs-segmentで解説しています。
メニューは「縦短・3分割」、力はタップ後のメッセージに
ここで、情報量を増やしたいときの定石とされる「タブ切り替え」や「メニューの出し分け」について、あえて違う立場をお伝えします。LIFEが実運用で行き着いたのは、リッチメニューは縦に短い3分割でシンプルに固定し、作り込みは『タップしたときに返すメッセージ』に振り向けるという方針です。タブを増やして情報を盛り込むより、こちらのほうが成果につながりやすい。理由は3つあります。
1. タップ直後のメッセージは「ほぼ100%見てもらえる」 リッチメニューは画像領域なので、そこにどれだけ情報を詰めても、隅々まで読まれるとは限りません。一方、ボタンをタップした直後に返すメッセージは、相手が自分から開いた文脈で届くため、ほぼ確実に目を通してもらえます。だからこそ、縦長で情報量のあるリッチな内容は、メニュー画像ではなくタップ後の返信メッセージに載せ、しっかり最後まで見てもらうのが理にかなっています。見てほしい情報ほど、メニューではなくメッセージへ。
2. メニューの出し分けには限界がある。個別最適化はメッセージ側で リッチメニューは相手によって出し分けできますが、設定できるパターン数には上限があり、一人ひとりに本当に合わせ込むことはできません。タブを増やして情報量を稼ごうとしても、結局は「ほぼ全員に同じメニュー」に近づきます。それなら、メニューはシンプルに固定し、タップ後のメッセージを条件分岐やAIで個別最適化するほうが、現実的に効果が出ます。出し分けの主戦場は、メニューではなくメッセージです。
3. 画像は作るのも更新するのも重い リッチメニューは画像です。パターンを増やすほど、デザインの作成コストも、キャンペーンや在庫が変わるたびの差し替えコストも跳ね上がります。やがて運用が回らず「更新されないメニュー」が放置される——前章の失敗パターンそのものです。メニューを縦短・3分割で固定すれば、画像の運用負荷を最小化できます。情報の出し分け・更新は、軽いメッセージ側に寄せましょう。
まとめると、メニュー=シンプルな入口、メッセージ=リッチな本体。この役割分担が、作りやすく・更新しやすく・成果も出やすい構成です。タップ後のメッセージをAIで個別最適化する考え方は/news/line-ai-chatbot-ragとも相性が良いテーマです。
改善は「数字を見て1つずつ」
リッチメニューは作って終わりではありません。どのボタンが押されているかを見て、改善を回します。
- 各ボタンのタップ状況を確認する
- 最も押されていないボタンの「ラベル・位置・そもそもの必要性」を見直す
- 主目的のボタンが埋もれていないか、上段・大きめになっているか確認する
- 1か所だけ変えて、変化を見る(一度に複数変えると原因が分からない)
派手な作り直しより、押されない1ボタンを直すほうが、確実に成果へ近づきます。小さな改善の積み重ねが、リッチメニュー全体のタップ率を底上げします。
よくある質問(FAQ)
Q. ボタンはいくつ置くのが正解ですか? A. 「正解の数」より「ゴールに必要な数」で考えます。目的が明確なら3〜4分割でも十分機能します。迷ったら減らす方向が安全で、6分割は本当に役割が分かれているときに限るのが無難です。
Q. デザインは外注すべきですか? A. 見栄えだけなら内製でも十分なことが多いです。重要なのはデザインの美しさより「ゴール設計」と「ラベルの分かりやすさ」。まず設計を固め、必要に応じてデザインを磨くのが順番です。
Q. リッチメニューはどのくらいの頻度で見直すべき? A. 最低でもキャンペーンや在庫の切り替わりに合わせて更新します。加えて、月に一度はタップ状況を見て、押されないボタンを1つ直す習慣をつけると、徐々に成果が安定します。
Q. タブを増やして情報量を持たせるべきですか? A. おすすめしません。リッチメニューは出し分けできるパターン数に上限があり、画像なので更新の負荷も高くなります。情報量は「タップしたときに返すメッセージ」で持たせ、メニュー自体は縦短・3分割でシンプルに保つほうが、個別最適化も運用もしやすくなります。能動的にタップされた直後のメッセージはほぼ確実に読まれるため、見てほしい情報はそちらへ載せるのが効果的です。
リッチメニューの設計や、配信と噛み合う導線づくりについて相談したい方は、LINEで相談するからお気軽にどうぞ。LINE活用支援の現場で培った知見をもとに、御社の目的に合ったメニュー設計をご提案します。