業界別のLINE活用

LINEでカゴ落ち対策|リマインド配信の作り方と設計のコツ【EC向け】

小川 靖人文・小川 靖人元LINE社員・LIFE合同会社 代表
この記事の執筆者:元LINE株式会社でLINE公式アカウント活用支援チームの立ち上げを推進し、LINE Green Badge試験問題の作成にも関与。バディカダイレクト元COOとしてLINE中心の販売基盤を構築し、AI接客チャットボット「中野愛作」を開発。詳しいプロフィール →
#EC#カゴ落ち#LINE公式アカウント#リマインド配信

カゴ落ち対策をLINEでやる価値は、メールより「届いて、開かれる」ことに尽きます。カートに商品を入れた人は、すでに欲しい人です。その人に離脱の数時間後、トーク画面へ直接リマインドが届く仕組みを作れれば、新しく広告費を積まずに売上が戻ってきます。ただし、LINEでカゴ落ちリマインドを送るには**「誰がカゴ落ちしたか」をLINEの友だちと紐付ける仕組み**が必須で、ここを飛ばして語る記事が多いので、本記事は実装の前提条件から順に説明します。

筆者は元LINE株式会社でLINE公式アカウント活用支援に携わり、その後バディカダイレクト(中古車のネット販売)のCOOとして、「問い合わせまで来たのに止まってしまった人」をLINEで追いかける仕組みを現場で作ってきました。中古車は単価が高いぶん、1件の取りこぼしの重さをよく知っています。

カゴ落ちは異常ではなく「デフォルト」。だから仕組みで拾う

Baymard Instituteの継続調査では、ECのカート放棄率は平均でおよそ7割とされています。10人がカートに入れたら7人は買わずに離れる。これは自社サイトの出来が悪いからではなく、スマホでの買い物がそもそも中断だらけだからです。電車を降りた、送料を見て迷った、後で買おうと思って忘れた——理由の大半は「もう要らない」ではありません。

つまりカゴ落ちした人は、見込み客の中で最も購買に近い層です。ここにだけは自動でフォローが走る状態を先に作り、その後で集客を増やす。順番を逆にすると、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けることになります。

先に確認すべき前提:LINEだけではカゴ落ちを検知できない

LINE公式アカウントの管理画面には「カゴ落ちした人に送る」機能はありません。必要なのは次の3点セットです。

  1. カートシステム側の離脱データ(カート投入・購入完了のイベント)
  2. LINEの友だちと会員の紐付け(LINEログインやID連携で「この友だち=この会員」を特定)
  3. Messaging APIでの自動配信(紐付いた相手にだけ、離脱をトリガーに送る)

このうち一番の壁は2の紐付けです。友だち追加してもらっただけでは、その人がサイト上の誰なのか分かりません。実務では「LINEログインでの会員登録・ログイン」を導線の標準にして、紐付け済みユーザーの割合を上げていくのが王道です。Shopifyなどの主要カートには連携アプリがあり、自社ECならMessaging API連携の開発、あるいは当社のLYNXのようなLINE連携CRMを使う選択肢もあります。

なお「友だちになっていない人にも送れる通知メッセージを使えばいいのでは」と聞かれることがありますが、通知メッセージは配送通知など生活に必要な連絡のための仕組みで、カゴ落ちリマインドのような販促には規約上使えません。カゴ落ち対策は「友だち+ID連携済み」の相手に送るのが唯一の正攻法です(詳細はLINEの通知メッセージとは)。

送るタイミングは「1回目は早く、2回目は理由を変えて」

リマインドの設計で成果を分けるのはタイミングと理由づけです。私が推奨する基本形は2通構成です。

通数タイミング内容の型
1通目離脱から30分〜1時間後「お買い忘れはありませんか?」+カート内容+復帰リンクだけ。値引きしない
2通目24時間後(未購入の場合のみ)迷いを解消する情報を1つ添える(送料条件・在庫状況・レビュー・期限付きクーポン等)

1通目を早く送るのは、購買意欲が時間とともに急速に冷めるからです。このタイミングではまだ「思い出してもらう」だけで十分で、いきなりクーポンを付けると「離脱すれば値引きされる」と学習されてしまいます。値引きカードは2通目まで取っておく。そして3通目以降をしつこく送らないこと。LINEはメールと違ってブロックが目に見えて返ってくるチャネルです(ブロック率を下げる配信設計も参考にしてください)。

文面はテキストだけより、商品画像+ボタンのカード形式(Flex Message)が復帰率を上げます。カートに入れた「その商品」が画像で見えることが、何よりのリマインドになるからです。

LYNXでのデモ:離脱から復帰までの自動フォロー

当社のLINE-FIRST CRM「LYNX」でカゴ落ちフォローを組むと、こう流れます。

① 離脱から1時間後:カート内容をそのままリマインド

LLINEプレビュー
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LYNX
カートにお買い忘れがありますオーガニックプロテイン 1kg ほか1点カートに戻る

② 24時間後(未購入なら):迷いを解消する一押し

LLINEプレビュー
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LYNX
本日23:59まで送料無料です 🚚カートの商品は在庫を確保しています。このままお手続きいただけます。購入を完了する

③ 購入が完了したら:フォローを止めて、次の関係づくりへ

購入完了イベントを受け取った時点でリマインドは自動停止し、発送通知→使い方ガイド→消費サイクルに合わせた再購入提案へとシナリオが切り替わります。「買った人に売り込みを続けない」制御まで含めて自動化できるかが、カゴ落ち施策が嫌われるか感謝されるかの分かれ目です。

カゴ落ちの先にあるリピート・LTVの全体設計はEC・D2CのLINE活用で詳しく書いています。

よくある質問(FAQ)

Q: カゴ落ちリマインドはLINE公式アカウントの標準機能だけで送れますか?

A: 送れません。カートシステムの離脱データとLINEの友だちを紐付けるID連携、およびMessaging API連携が必要です。カート連携アプリかLINE連携CRMの利用が現実的です。

Q: 何通まで送っていいですか?

A: 2通までを推奨します。1通目は離脱後30分〜1時間の想起、2通目は24時間後に迷いを解消する情報を添えて。それ以上はブロック増加のリスクが利益を上回りやすくなります。

Q: 友だちになっていない購入検討者にも送れますか?

A: 送れません。販促目的の配信は友だち+ID連携済みの相手に限られます。だからこそ、会員登録やログインをLINE経由にして紐付け率を上げる導線設計が先になります。


カゴ落ちフォローを含むEC向けのLINE設計は、お使いのカートとの連携方法から個別にご相談に乗れます。実際の画面を見ながらのデモをご希望の方は、LINEでデモを体験するからどうぞ。

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