LINEの引用返信をMessaging APIで使う|どの質問への回答かを取り違えない
この記事の結論
LINEの引用返信に使うquoteTokenの取得元と、同じトーク内で使う条件を解説。replyTokenとの違い、メッセージとの紐づけ、複数の質問へ答える確認手順を整理します。
最終更新:2026年10月9日
「はい、大丈夫です」と返しても、お客様が料金と日程の両方を聞いていたら、どちらへの回答か分からないことがあります。Messaging APIの引用返信は、答える対象のメッセージを示してから回答するために使えます。引用できることと、質問へ正しく答えていることは別なので、本文にも対象と回答を具体的に書きます。
ここではAPIで返信を実装する担当者と、返信の仕様を決める事業者向けに説明します。LINEアプリや管理画面の手動操作手順ではありません。引用のためのトークンを付けても、別の相手へ会話を移したり、送信できる範囲を増やしたりすることはできません。
quoteTokenは引用元、replyTokenは応答のために使う
公式の引用トークンガイドによると、quoteTokenは、過去のメッセージを引用するための値です。引用元が送られた同じトークでのみ使えます。有効期限はなく、同じ値を複数回使えます。
一方、replyTokenはWebhookイベントに応答するための値です。引用先を選ぶ値ではありません。引用トークンに期限がないことを、応答トークンも後から自由に使えるという意味に読み替えないでください。送るタイミングや通数の扱いは、Messaging APIの送信方法として別に確認します。
| 確認するもの | 役割 | 実装で確認すること |
|---|---|---|
| メッセージID | どのメッセージかを区別する | 回答対象の相談と対応しているか |
| quoteToken | そのメッセージを引用する | 同じトークの対象メッセージから取得した値か |
| replyToken | イベントへの応答に使う | 引用元の指定とは分けて扱っているか |

図:複数の質問が届いたとき、引用元と回答が合っているかを確かめる対応図です。IDやトークンは説明用の記号です。
受信したメッセージと、自分が送ったメッセージで取得元が違う
ユーザーから届くテキスト、スタンプ、画像、動画では、WebhookのメッセージオブジェクトにquoteTokenが含まれます。問い合わせ本文だけを保存し、メッセージIDや引用トークンを捨ててしまうと、後の返信で対象を選びにくくなります。
自分がMessaging APIで送ったメッセージを引用したい場合は、応答・プッシュ送信のレスポンスにあるsentMessagesを確認します。引用トークンが返るのは、引用対象にできる種類を送った場合です。公式ガイドはテキスト、テキストv2、スタンプ、画像、動画、テンプレート、Flex Messageを挙げています。テンプレートとFlex Messageは、引用時にaltTextが表示されます。
複数のメッセージを送った場合、レスポンス配列は送信した順番と対応します。「最後に届いたトークン」だけを顧客単位で保存するより、送信元のトーク、メッセージID、引用トークンを一組として扱い、回答対象のメッセージへ戻れる設計にします。アクセスできる担当者と保存する目的・範囲も決め、会話データを無条件に外部へ集めることは避けます。
引用元を選んだあと、本文でも答えを分ける
以下は架空の会話例です。顧客から「日曜も予約できますか」と「追加料金はありますか」の二つが届いているとします。
「はい、大丈夫です」だけでは、日曜に空きがあるのか、追加料金がないのかが曖昧です。予約の質問を引用するなら、確認済みの受付条件や空き状況を答えます。料金の確認が残っているなら、それは別の作業として伝えます。まだ確認していない空きや料金を、引用付きだからと確定させることはできません。
API側では、たとえばテキストメッセージのquoteTokenに、選んだ質問の引用トークンを設定します。公式APIリファレンスで対応するプロパティを確認できます。制作担当者への指示は「引用して送る」だけでなく、次のように分けると確認できます。
- どのトークの、どのメッセージを引用するか。
- 回答本文は、その質問へ答えているか。
- 別の質問の確認が残る場合、誰が次に対応するか。
引用トークンがない種類や、取得した値を保持していない場合は、引用を必須にして返信を止めず、「日曜の受付について」「追加料金について」と本文で対象を示す方法も用意します。
誤った引用を防ぐため、二つの質問で試す
自社の承認済みテスト用トークで、内容が異なる二つの質問を続けて送り、後から先の質問を選んで返信する動作を確認します。実顧客の問い合わせを検証用に転用しません。
確認するのは、引用された文面と回答本文の一致、担当を替えた後の対象選択、異なるトークの情報を混ぜないことです。Flex Messageを引用する設計なら、カードの代わりに出るaltTextだけでも何の案内かが分かるようにします。
引用は、対応の完了を示す操作ではありません。残る質問と次の担当を管理する方法は、チャットの対応状況と合わせて確認できます。相手に会話をさかのぼって意味を推測させる手間を減らし、担当も同じ文脈を見て返せることを基準にしてください。
※仕様の確認日:2026年10月9日。引用トークンの条件・取得元はLINE Developers、テキストの引用指定はMessaging APIリファレンスを確認しています。