LINE活用の基礎

LINE Messaging APIの送信方法|応答・プッシュ・マルチキャスト・ナローキャスト・ブロードキャスト

小川 靖人文・小川 靖人元LINE社員・LIFE合同会社 代表
この記事の執筆者:元LINE株式会社でLINE公式アカウント活用支援チームの立ち上げを推進し、LINE Green Badge試験問題の作成にも関与。バディカダイレクト元COOとしてLINE中心の販売基盤を構築し、AI接客チャットボット「中野愛作」を開発。詳しいプロフィール →
#LINE公式アカウント#Messaging API#プッシュメッセージ#ナローキャスト
この記事は「LINE公式アカウント完全ガイド」の一部です。全体像はこちらから →

この記事の結論

Messaging APIの応答・プッシュ・マルチキャスト・ナローキャスト・ブロードキャストの違いを、通数の扱いと管理画面配信との境界で整理します。

最終更新:2026年10月6日

Messaging APIでメッセージを送る手段は、大きく「ユーザー操作への応答」と「任意のタイミングでの送信」に分かれます。後者は宛先の決め方が4つあり、一斉配信やセグメント配信と同じ目的でも、使うAPIが違います。先に決めるのはエンドポイント名ではなく、誰の何に応えて送るかです。

仕様は2026-10-03にメッセージを送信するとMessaging APIの料金を確認した内容です。レート制限やパラメータは更新されるため、実装前にリファレンスを再確認してください。

5つの送信方法

送信方法宛先の決め方使う場面の例通数
応答メッセージ(Reply)Webhookで受け取った応答トークン友だちが送った内容や追加操作への返信カウントされない
プッシュメッセージ(Push)ユーザーID、グループID、ルームIDを1件指定購入後の発送通知、予約リマインドカウントされる
マルチキャスト(Multicast)ユーザーIDの配列(最大500件)会員IDが分かっている人へ同じ案内をまとめて送るカウントされる
ナローキャスト(Narrowcast)属性・オーディエンス・過去配信の条件開封者、クリック者、年齢や地域で絞る配信カウントされる
ブロードキャスト(Broadcast)すべての友だち管理画面の一斉配信に相当する全件配信カウントされる

1回のリクエストで送れるメッセージオブジェクトは、いずれも最大5件です。通数はオブジェクトの数ではなく、送信対象になった人数で数えます。ブロック中や存在しないユーザーIDは通数に入りません。

グループトークや複数人トークに送れるのは、応答とプッシュです。マルチキャストとナローキャストは1対1の友だち向けです。1人だけに送るなら、公式もプッシュを推奨しています。

API送信の選び方。受信イベントへの応答:応答API。IDで宛先を指定:プッシュ・マルチキャスト。条件で対象を絞る:ナローキャスト。送信可能な友だち全体:ブロードキャスト。

図:API送信の選び方。細かな条件と例外は、本文で確認してください。

応答と、こちらから送る配信の境界

応答メッセージは、友だち追加やユーザーからのメッセージなど、Webhookイベントに付くreplyTokenを使います。トークンの有効時間は短いため、予約システムの応答を待って数分後に返す用途には向きません。返答に時間がかかる場合は、公式のローディング表示を出したうえで、準備ができたらプッシュに切り替える、という分担になります。

管理画面の応答メッセージやチャットの手入力は、Messaging APIのReplyとは別経路です。同じトークで両方を同時に動かすと、ユーザーの一言に二重返信が起きることがあります。ボットを入れる前に、管理画面側の応答とWebhookの役割を分けてください。

プッシュとマルチキャスト

プッシュは「この人(またはこのトーク)へ、今送る」ための送信です。予約確認、発送、問い合わせの続きなど、宛先が1件に決まる処理に使います。

マルチキャストは、同じ文面を複数のユーザーIDへまとめて送るための送信です。公式リファレンスではtoに指定できるユーザーIDは最大500件です。500人を超えるリストは分割します。グループIDやルームIDは指定できません。

会員番号や予約IDからLINEユーザーIDを引ける場合は、マルチキャストの方が条件配信より単純です。性別や開封履歴だけで送りたい場合は、ユーザーIDリストを自前で持たなくてもよいナローキャスト側を検討します。

ナローキャストとブロードキャスト

ナローキャストは、管理画面のセグメント配信に近い「条件で絞って送る」APIです。性別、年齢、OS、地域などの属性と、クリック・開封・追加経路・LINE Tagなどのオーディエンスを、AND / OR / NOTで組み合わせられます。recipientを省略すると全友だちが対象になり、ブロードキャストと役割が重なります。

実装前に次を確認します。

  • オーディエンス作成は非同期。ステータスがREADYになるまで送らない
  • チャットタグ、追加経路、予約、リッチメニュー、LINE Tagなど、Messaging APIだけでは作れないオーディエンスがある。LINE Official Account Manager側で作る
  • 送信対象が少なすぎると、属性の推測を防ぐ制限で送れない
  • 配信完了まで、当月の通数上限目安を予約することがある。その間に他の送信が月次上限エラーで失敗することがある
  • 最大送信数をlimitで抑えられる。部分配信を禁止する指定もできる

ブロードキャストは全友だちに同じ内容を送る送信です。管理画面の一斉配信と同じ目的なので、手作業で足りる告知は管理画面のままにし、予約システムやCRMから自動で全件送る必要があるときだけAPI化します。

管理画面配信との使い分け

やりたいこと先に検討するもの
全員に今すぐ同じ告知管理画面の一斉配信。自動化が必要ならブロードキャスト
属性やオーディエンスで絞る管理画面のセグメント配信。外部データ連動が必要ならナローキャスト
追加からの日数で自動送信管理画面のステップ配信
予約・購入など外部イベントに即時応答プッシュ(または応答トークンが生きている間は応答)
自社が持つユーザーIDリストへ同じ文面マルチキャスト
友だちでない相手へ事務連絡通知メッセージ。通常の5種とは別制度

料金プラン上、Replyは通数に入りません。Push / Multicast / Broadcast / Narrowcastは入ります。日本のプラン例は、コミュニケーション200通、ライト5,000通、スタンダード30,000通です(2026-10-03に料金プランを確認。税別)。スタンダードの追加メッセージ単価は2026-10-01に改定されているため、超過単価は公式の最新表を見てください。通数の考え方は料金と通数でも整理しています。

実装前の確認

  • 送るきっかけが「ユーザー操作」か「外部システムのイベント」か「配信担当の告知」か
  • 宛先がユーザーIDか、属性・オーディエンスか、全員か
  • 応答トークンの期限内に返せるか。返せないならプッシュに切り替えるか
  • ナローキャスト中に、予約リマインドなどのプッシュが月次上限で止まらないか
  • 管理画面の応答・ステップ配信と、APIボットが同じトークで競合しないか

予約や購入の個別通知から、条件配信、Flex Messageの組み込みまで設計したい場合は、LINE公式アカウント構築・運用支援またはFlex Message制作で支援範囲を確認できます。

この記事に関連するサービス

関連記事